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もう後がない、とは思わない

不妊治療中の身の上を、自己を顧みるため、および、黒い気持ちを整理するため…とかなんとかいいながら、たぶん日常的なくだらぬこともつらつら書いていこうと試みる次第

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少し前の話から。

8日の土曜日に採卵することが決定し、
その前日に鍼灸院へ行った。
卵が取れなかったり、受精しなかったりしたら
半年ほど通った鍼灸院の先生方ともお別れかもしれない。
そんな感傷に浸りつつも、口には出さずにおく。
家では自己暗示をかけるために
下腹部をさすりながら
「いい卵…いい卵…」
と念仏のように唱えたりしていた。

そして、採卵。

卵胞は二つ育っており、ホルモン値もいい感じだったので
鍼灸の先生は「五個くらいとれんじゃないの?」とおっしゃってたが
「さすがにそれはなかろう…」と心中で苦笑する。
しかしながら、卵胞二つだから、二つ取れたらいいな…と思っていたら
ふたを開けてみたら、結局とれた卵はこれまでと同様に一つだけであった。
採卵の痛みに耐えつつ、エコー画面を見つめ
卵胞がしゅぅぅぅぅと小さくなっていく様子を確認する。
そして、胸元に添えられた看護師さんの手の温もりを感じると
なんだかこれまた
「もうこれは最後なのだなぁ…」と感傷的になる。
病院を出て、夫とデパ地下で買い物をして帰宅した。
家では妙にすがすがしい気分で採卵室での様子を思い出しながら
「まぁ…なかなかできないことだし、いい経験だったよ」
と笑った。

翌日KLCに連絡を入れたところ、問題なく受精したとのこと。
次回は15日に凍結確認の連絡を入れるように指示されて終了。
それから15日までは特に意識せず、ただのんびり過ごしていた。
それでも「がんばった、サボらなかったという証明」という思いから
引き続き、踏み台昇降をしたり、スクワットをしたり等
運動して下半身強化に取り組んだりはしていた。
心の片隅に「これで終わってしまったら意味のない運動かもしれない」という
そんなネガティブなことも浮かんでは消え、浮かんでは消え…。

そして15日。
朝起きた瞬間から、胃がきゅぅっとするような憂鬱な感情が沸いた。
どうしたって心配だ。
別のことをしていたって、気持ちが落ち着かない。
いざ、連絡をしようとスマホを持つも、重たく感じる。
「そうはいっても、もう結果は出てる訳だし」
夫は言う。
大きく息を吐いて、えいやっと気合を入れて連絡した。

「胚盤胞まで育ちましたので凍結できました」

その後、次回の来院日についての確認等があり、電話を切った。
安堵のあまり、号泣した。
「まだ涙はとっておかないと」と夫は言う。
それはそうなんだが、これまで乗り越えられなかった壁を一つ
ようやっと超えることができて、
かつ、鍼灸や毎日のお灸、運動等の頑張りが報われたと思って
感極まってしまったのであった。

当然、これがゴールではない。

今度は着床させる、という新たな壁がある。
引き続き、努力を続けるしかない。
それでも今は胚盤胞まで育った喜びが大きい。
KLCで胚盤胞まで育たないのは卵子のDNA異常がほとんどであると聞いた。
これまでとは違う、ちゃんとした卵子ができたこと、
そして、特に問題がなければ、お腹に戻すことができるであろうこと、
最後の体外受精にして、達成感を持って終わることができそうで
本当によかったと思う。

終わりまで、あと少し。

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